年末のご挨拶
年末のご挨拶 2023:12:30:23:41:32

2023.12.30(更新日:2023.12.30)

 

年末年始、いかがお過ごしでしょうか。

家でゆっくりされている方、仕事をしている方、コロナ禍明けで何年ぶりかに里帰りされている方、旅行やイベントに出かけている方など、様々だと思います。

 

昨日、娘から電話があり、「今から神戸でコンサート。それから兵庫のおばあちゃんの家に泊まり、31日の夜に鳥取に帰る。3日に出発するので鳥取駅まで送って。」とのこと。

若い人は元気ですね。

僕の大学生の頃を思い出しますと、富士山に登ってご来光を見たり、東北一周旅行をしたり、クルーザーで隠岐の島に行ったり、風だけで動く小さなヨット(470)で中海・宍道湖を一周したりと、若いからこそ出来た経験は貴重だなと思います。

 

当院は12月29日から1月3日まで年末年始の休診中です。

6連休は滅多にありませんので、僕も職員も大切に使いたいと思うのは当然です。

ところが、6連休と言いましても、12月29日の幸福度と1月3日の幸福度は異なります。

12月29日の幸福度が最も高く、「この幸せをみんなに分けてあげたい」と思うくらいですが、翌日からだんだんと幸福度は低下していき、1月3日の幸福度は毎週日曜日の幸福度より低いかもしれません。

専門用語では「限界効用逓減の法則」と言い、1杯目のビールが最も美味しく、2杯目、3杯目は慣れてしまい、あまり美味しく感じられないのと同じです。

そこで職員に、「毎日1時間でも仕事に来て良いよ。気持ちがリセットされて、毎日の幸福度が維持されるから。」と言いましたが、「No, thank you.」の返事でした。

 

自分はと言いますと、診療があるわけではありませんが、毎日クリニックに行って、何となく仕事をしたり、読書をしたり、2023年の反省と2024年の目標を考えたりしています。

別に仕事人間ではありませんが、クリニックに愛着があるというのか、居心地が良いというのか、家が落ち着かないというのか、結果的に限界効用の逓減に陥らず、毎日新鮮な気持ちで過ごせています。

 

ここから真面目な話ですが、2023年のよねだクリニックを振り返りますと、以下のことが印象に残っています。

①医薬品不足

②物やサービス料金の上昇

③オンライン資格確認の導入

④オンラインによる返戻レセプト再請求の導入

⑤新型コロナの二類から五類への変更

⑥新型コロナ以外の感染症の季節的流行パターンが戻りつつあること

⑦発熱外来

 

①の医薬品不足は、いろいろ報道されていますので、ご存じの方もおられるでしょうし、実際に咳の症状があっても咳止めを処方されなかった方もおられると思います。

風邪薬(葛根湯、PL、カルボシステイン、アンブロキソール、アスベリン、アストミン、メジコン)はもちろん、胃腸薬(ナウゼリン)、抗ウイルス薬(タミフル)、禁煙補助薬(チャンピックス)など、多岐に及びます。

内科医は、問診と診察(+必要に応じて検査)から、その時点での診断をつけて、その時点で適切と思われる薬を処方します。

すなわち、薬を処方した時点が一旦のゴールとなるわけです。

ところが、処方したい薬がなければ、ゴールにたどり着きません。

2020年から2022年までのコロナ禍では、院内感染対策が最もストレスに感じていましたが、2023年は、この医薬品不足が、自分にとっての最大のストレスでした。

 

マスコミは、新型コロナの流行、季節外れのインフルエンザの流行、ジェネリック医薬品メーカーの不正などを理由に挙げていますが、これらが原因で医薬品不足が何年も続くはずがありません。

今までの日本なら、国が製薬会社に働きかければ、すぐに増産に応じて問題は解消されていました。

 

年余にわたり問題が解消されないのは、

○国力の低下に伴い日本に薬(薬の原料)が入ってこない、

○ルール(申請だけでなく事後報告も)が複雑で下手に動くと後々面倒、

○国は増産に応じた製薬会社を支援すると言っているが、十分に供給された時点でハシゴを外されるくらいなら、不足している状態の方が経営的に有利(面従腹背)、

○20年にわたる薬価改定(大部分の薬価を下げてきた)の結果、製薬会社に余力がない、

というのが、長期的かつ根本的な原因だと思います。

 

日本経済新聞(自分が購読しているのがこの新聞なだけです)には、来年度の診療報酬改定について「本体0.88%上げ 負担抑制進まず」という見出しをデカデカと載せていますが、これだけ賃金・物価上昇スパイラルが生じている状況で、わずか0.88%の上昇が医療の質を保ち、かつ医療従事者の賃金を上げることに繋がると本気で思っているのでしょうか。

まあ、多くの国民が「医者や看護師は儲けすぎだ。もっと安い賃金で働け。」と思っているのなら仕方ありませんし、国は世論には逆らえませんので、短期的には医療従事者の頑張りで、安くて質の高い医療を受けられるでしょう。

しかし、医療従事者もボランティアで仕事をしているわけではありませんし、患者さんの家族でもなければ、サンドバッグでもありません。

嫌になれば、医療介護福祉業界から離れていきますし、若い人が医者や看護師を目指さなくなるでしょう。

結局困るのは、一人一人の国民です。

 

僕は2年前、お腹の調子が悪くなり、二日間休診にして、鳥取県立中央病院で血液・CT・大腸カメラ・胃カメラ検査を受けましたが、高くない医療費で、質の高い医療を受けられ、「本当にありがたいな」と感謝の気持ちで一杯でした。

それと同時に、こんな恵まれた状態はいつか終わってしまうのではないかと少し不安でした。

そして、5年後、10年後はこの不安が現実になるかもしれません。

戦後から現在まで、先輩たちが築いてきた日本の医療制度を、もう少しシンプルにしつつも、維持していきたいものです。

 

マスコミは報道しませんが、イギリスやアメリカの医療は、日本と比べるとひどいものです。

イギリスは、家庭医の診察もすぐには受けられないですし、専門医に診てもらうには何ヶ月も待たないといけません。

アメリカは、医療費の個人負担が日本とは桁が違います。

新聞・テレビ・雑誌・SNSなどの「日本の医療制度が機能しないことが、コロナ禍であぶり出された。」「日本の医療は新興国にも負けている。」「病院は補助金で設けている。」という煽り報道に振り回されないようにしましょう。

さすがにアメリカやイギリス(フランスでもイタリアでも良いのですが)で医療を受けたいと思う人はいないと思いますが。

 

②の物やサービス料金の上昇は、ワクチン・消耗品・サービス料金など、今までに経験したことがないくらいの値上げラッシュでした。

皆さんもコンビニの弁当、おにぎり、お菓子、ジュース、アイスクリームなどが2-3割上昇したのは実感されていると思います。

滅多に買わない物(洗濯ばさみ、洗濯ネット、計算機)は価格据え置きですが、頻回に買う物(コピー用紙、洗剤、ゴミ袋)は2-3割上昇するか、価格据え置きだと売り切れていて、結局高いものを買うことになってしまいます。

ワクチンは、例えばBCGワクチンは、元々3,000円だったのが、2022年4月に5,000円になり、2024年4月に6,500円になる予定です。

医療費やワクチン接種料金は、国や自治体が決めますので、仕入れ価格に応じて上げてもらいたいものです。

まあ、不平不満を言っても仕方ないですが。

③のオンライン資格確認、④のオンラインによる返戻レセプト再請求は、国のDX(デジタルトランスフォーメーション)、及びマイナンバーカード推進に伴う政策です。

僕はIT音痴ですので、なるべく後回しにしていたのですが、今年4月から義務化になりましたので、導入しました。

マイナンバーカードを保険証代わりに使われる患者さんは、今のところ、ほとんどおられませんが、徐々に増えてくると思います。

皆さん、ご存じないと思いますが、マイナンバーカードではなく、紙(プラスチック)の保険証を窓口で出されたとしても、窓口のパソコンと国のパソコンがオンラインで繋がっていて、リアルタイムで保険証が有効かどうかの資格確認をしています。

多少のトラブルはありますが、メリットも大きいです。

医療事務にも好評です。

保険証の有効期限切れがかなり減りました。

かなり減っても0にならないのは、リアルタイムで資格確認をしていても、そもそも国のパソコンに最新情報が反映されるまでに、時間がかかるのでしょう。

ネット銀行の振り込みの様に、入出金や振込の情報もリアルタイムで更新され、自分のスマホやPCにも最新情報がリアルタイムで表示されるようになれば、もっとトラブルが減ると思います。

それと、マイナンバーカードの普及を優先するあまり、紙(プラスチック)の保険証を廃止するようですが、むしろ分散させた方が国民のためになると思います。

マイナンバーカード、紙(プラスチック)の保険証、スマホアプリ(スマホを2台持っていたらどちらでも使える)、タブレット、運転免許証に保険証機能を持たせる等、国民の利便性を上げる方法にしてもらいたいですね。

窓口に顔認証の器械が置いてありますが、いつかは壊れますし、通信障害、停電になると使えません。

患者さんとしましても、マイナンバーカードを紛失したら一巻の終わりです。

当分は立ち直れないでしょう。

スマホにマイナンバーカードの機能を持たせれば、マイナンバーカードを持ち歩く必要はなくなります。

僕も興味本位で、マイナンバーカードを保険証代わりに使っていますが、紛失が怖いので、家に帰ると大切にしまい込んでいます。

少なくとも、数年以内に紙(プラスチック)の保険証を廃止するのは悪手です。

いろいろと想定されるトラブルの対処法や責任の所在を明確にして、国民に周知してから廃止しないと、折角のオンライン資格確認が台無しになります。

その次に、大都市(東京、大阪)、田舎(鳥取、島根)、島(隠岐の島、佐渡島)などで試験的に運用してみて、問題点を洗い出し、停電や通信障害や機械の故障やマイナンバーカードの破損などにどのように対処するか(スムーズに医療を受けられるか)を検証してから、徐々に全国に広げていくべきでしょう。

今の政府(デジタル庁?)の強引で、現場任せのやり方では、トラブルが目に見えるようです。

ここは先進国の日本です。

戦時中の日本ではありません。

 

⑤の新型コロナの二類から五類への変更、⑥の新型コロナ以外の感染症の季節的流行パターンが戻りつつあること、⑦の発熱外来は、2020年1月から続いた、まる4年に渡るコロナ禍の最終年ということです。

当院では、今も発熱、風邪症状、胃腸炎症状の患者さんは、発熱外来対応(自家用車や待機室での診察)としています。

患者さんによって受け止め方は異なりますが、子供さんは慣れた車内でタブレットやスマホで動画を見たり、お菓子を食べたりして待合室より楽しそうです。

この表は、今から3年前に鳥取県感染症情報センターのホームページをスクリーンショットした「鳥取県感染症流行情報」です。

あまりにも珍しいので、スクリーンショットしておいて、毎年春に鳥大医学部4年生の臨床感染症学の講義スライドで使わせてもらっています。

今では、インフルエンザ、胃腸炎、水痘、アデノウイルス、溶連菌、RSウイルスなど、普通に流行していて、季節的流行パターンが復活しつつあります。

当時、いかに国民が感染対策を徹底していたかを物語っている表です。

 

今回も長くなってしまいましたが、職員、患者さん、地域住民、介護施設、救急隊、病院、行政の皆様、1年間、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。お世話になりました。

特に患者さんには、「薬だけはダメ。」「必要な検査を受けないなら薬は出せない。」「もっと痩せないとダメ。」「タバコはダメ。」「飲酒は半分に。」「食事のバンスが悪い。」「脳梗塞で寝たきりにならないだけでも良かった。」「腎臓が悪いのに痛み止めを常用してはいけない。」など、厳しめに言ったことも多々ありました。

これからの時代、コンプライアンスを守らないといけませんし(雇用調整助成金の不正受給、セクハラ、パワハラも同様)、「自分が言わないと誰が言う」というのもありました。

職員にも、患者さん以上に厳しく接して、細かく言ったと思います。

看護師には、髪の毛一本落ちていても拾うように言いましたし、壁が汚れていても(昔からの汚れで落ちないのが分かっていても)アルコール綿で拭くように言いました。

医療事務には、レセコンはただのパソコンではなく金庫のように扱えとか、床が雨や雪で濡れていたら危ないのですぐに拭くように言ったりしました。

細かいことを言う割には、細かいミスを一番多くしていたのは、院長である自分です。

指示箋の出し忘れ、処方箋の間違い、スイッチが入ると一人の患者さんに時間をかけすぎるなど、頻回にありましたが、それを上手に対処してもらいました。

慣れた職員は、僕がカルテを閉じる直前に「処方箋が出てません。」「糖尿病の検査はしないのですか。」などと言ってくれます。

処置処方欄とマウスの動かし方を見つつ、先生はこのままカルテを閉じようとしていると、何となく分かるのでしょう。

診療が遅れる(患者さんを待たせる)原因は、医師がボトルネックになるからですが、「先生は一人しかいませんからねえ。」と温かい言葉をかけてくれました。

そんなこんなで、何とか1年が終わりました。

来年も、よねだクリニック、院長、職員をよろしくお願いいたします。

 

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