医療安全研修会に出席しました。
医療安全研修会に出席しました。 2017:02:05:15:03:00

2017.02.05(更新日:2017.02.05)

 

本日(2/5)、とりぎん文化会館で、鳥取県保険医協会主催の医療安全研修会があり、参加しました。
講師は、京都府保険医協会の丹生文夫先生でした。
以下、要点を記します。

研修内容
 
医療事故、医療過誤の違いを理解する。
医療事故は、医療行為の過程において予期しなかった不良な事態が発生し、患者さんに何らかの侵襲を来したことをいう。
これ自体は必ずしも、医療機関側の賠償責任が問われるとは限らない。
何故なら、医療には不可抗力や予見できない事象が多いから。
医療過誤は、医療事故の原因が医療機関側の診療上の注意義務違反によるもの。
つまり、一定の医療水準の下では予見が可能で、より慎重にすれば避けることが可能だったということになり、この過失によって、患者さん側に損害が生じた場合は、医療機関側に賠償責任が発生する。
 
患者さんは、多くの場合、医療事故と医療過誤とを区別しておらず、患者さんが「医療事故だ」と主張する場合、「医療過誤だ」と言っていることが多い。
いずれにしても、「医療に関係する事故ではあるが、ミス(過誤)かどうかは調べてみないと分かりません」と答えた上で、科学的に検証することが重要。
 
インシデント・レポート(ヒヤリハット報告書)は予防が目的であり、アクシデント・レポート(事故報告書)とは区別する。
 
医療事故が起こった場合、5項目(①診断、②適応、③手技、④説明、⑤事故処置)についてチェックし、医師会に報告する。
また、患者さんへの事後説明も、この5項目を丁寧に説明する。
 
医師賠償責任保険は、医療事故というだけでは保険が下りない。
医療過誤と認定されて初めて下りる。
そのため、感情的に対応するのではなく、冷静に科学的に対応する。
慰謝料や示談金などの専門外のことは、弁護士や保険会社に対応を任せ、医師は自分の専門領域である、科学的・医学的検証と、患者さんへの事後説明に集中する。
 
以下、感想を述べます。
 
まず予防が第一です。
医療事故が起こると、患者さんも医療関係者もつらい思いをします。
当院では、常に、整理整頓、掃除、挨拶を励行するように、職員に話しております。
整理整頓をすることで、書類の紛失・紛れ込みを防止し、また必要な医薬品、医療材料がすぐに使える状態にしておくことができます。
掃除をすることで、院内感染を防止し、また塗れた床を拭くことで転倒を防止することができます。
挨拶をすることで、相手の顔と名前を覚え、患者さんの取り違えを防止し、職員同士の意思疎通を良くすることにつながります。
細かいことでもヒヤリハット報告書を作成し、生じやすいミスを全員で共有するようにしています。
気になる点、注意すべき点は、その都度、ミーティングで話し合うようにしています。
職員一人一人が、自分の健康に気を使うことも重要と思いました。
規則正しい生活をして、良いコンディションで業務を遂行することが事故防止につながるからです。
そのために、職場としても、残業が最小限になるように工夫しております。
 
それでも医療事故は起こります。
医療は人間を相手にしますので、絶対に良くなると保障することは出来ません。
また、医師が「妥当な経過」と考えていても、患者さんは「期待していたほど良くならない」と考えることもあります。
医療は、人間である医師や看護師が行うので、ミスを100%防ぐのは不可能です。
交通事故を100%防げないのと同じです。
事故が起こってしまった場合は、冷静にかつ科学的・医学的に検証することを心がけることが重要と認識しました(特に上記5項目)。
早い段階で医師会に報告し、専門外の対応については、保険医協会、弁護士に相談することも重要と認識しました。
 
以上、多少堅苦しい話になってしまいましたが、研修内容や当院の取り組みなどを知って頂けましたら幸いです。
 
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